正面から

職場で出会った

 

 二人とも 俯いて目を合わせることはなく

 ただ 挨拶

 ぎこちない

 これまでの 関係ではない ぎこちなさ

 それも あと一カ月のこと

 ハグさんは 離れて行く nagiの許を

 すべてを 忘れるために

 

 笑顔はなくなった

 すれ違っても ただの職員同士

 自分の バカさ加減が重く圧し掛かって

 そんな 辛い日々

 忘れたい 早く

 

 消えてしまうのが 一番いいと思える

 お互いにとって 消える

 nagiが 持ちそうにないから

 カケラが 動く時

 体の中を 何かがすり抜けていく

 ぞわぞわとする 何かが

 

 忘れるために 残された方法

 その時を 待つ