道を通り過ぎて

想いでの場所がそこにある

 

 初めて行った お店だったり

 レイトショーを観た 映画館だったり

 買い物を一緒にした 場所だったり

 通過しながら

 思い出す

 そんな こと

 

 吹っ切れない

 想い

 

 人魚姫

 地球に立ち寄った人魚姫は

 地球人のある人と偶然出会いました 

 出会った時は 地球人が悲しみに暮れていたので

 地球人の姿をして

 傍らにいるために 何度も話を聴いて

 食事を 毎週するようになりました

 そのうち その地球人を 愛するようになりました

 回数を 重ねた あるとき

 悲しみと関わりのある何ものかが

 心に中に 宿ってしまいました

 その何ものかと 人魚姫は 地球人を見つめて

 暮らしていくようになっていきました

 

 ある日 人魚姫は 地球人に 告白するのでした

 あなたのことを 愛してしまった と

 地球人は 優しさから 拒むことはありませんでしたが

 人魚姫ではなく

 地球人同士での 暮らしを望むようになりました

 距離を 置かれた人魚姫は

 心の中のあるものと 会話しながら

 地球人にとって一番いい方法を考えました

 

 地球人は 地球人同士で暮らしていくのが一番

 そう思った 人魚姫は 海に戻る決心をしました

 ただ 地球人の姿となるために

 大切なものを 生まれた星に置いてきました

 生まれた星に 戻る手立てとなる コンパス

 地球の海は 生まれた星に比べて 穏やかな環境でしたが

 長くは生きられません

 

 地球人が 幸せに暮らしているのを

 見届けて 

 地球で 初めて来た場所

 そこへ

 戻ることに

 

 道すがら ハグさんが

 幸せに 暮らせますように

 願う

 nagiは 過去の 人魚姫

 すでに

 あなたの 心の中から 消された 存在